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馬の病気:足根骨骨折

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足根骨骨折(Tarsal bone fracture)について。

距骨(Talus)の骨折は、蹴傷などの外傷性に発症し、外側滑車骨折(Lateral trochlear ridge fracure)、内側滑車骨折(Medial trochlear ridge fracture)、矢状骨折(Sagittal fracture)などの病態を呈します。跛行は骨折の重篤度(Severity)によって軽度~重度まで様々ですが、足根下腿関節の膨満(Tarsocrural joint effusion)と飛節屈曲試験(Tarsal flexion test)での強陽性を示します。滑車骨折の治療においては、骨折片のサイズが小さい場合には、関節鏡手術(Arthroscopy)による骨片摘出(Fragment removal)が行われますが、外側滑車におけるサイズの大きい骨折片の治療では、螺子固定術(Lag screw fixation)による骨片間圧迫(Intra-fragmentary compression)が施される事もあります。内側滑車の遠位端における棘状骨片(Spurs at the distal end of medial trochlear ridge)(いわゆる“鼻水状病変”:Dewdrop lesions)では、多くが関節外病変(Extra-articular lesions)であるため、外科的療法は必要でないことが提唱されています。距骨の矢状骨折では、螺子固定術による骨折片の整復が必要で、関節鏡手術によって関節面の平坦化(Articular surface realignment)を確認することが重要です。

踵骨(Calcaneus)の骨折は、外傷性に発症し、開放骨折(Open fracture)から骨髄炎(Osteomyelitis)、感染性踵骨滑液嚢炎(Septic calcaneal bursitis)、腐骨形成(Sequestration)を併発することもあります。通常は重度の跛行(Severe lameness)と患部の腫脹を示し、レントゲン検査によって確定診断(Definitive diagnosis)と病態把握が行われます(特にスカイライン撮影像によって)。踵骨骨折の治療においては、骨折片のサイズが小さい場合には、保存性療法(Conservative therapy)、もしくは関節鏡手術による骨片摘出が行われます。しかし、骨折片のサイズが大きい場合には、アキレス腱支持の消失による歩様異常を呈するため、螺子固定術を用いての外科的整復が施される場合もあります。また、皮質骨(Cortical bone)や滑膜組織(Synovial tissue)に、細菌感染(Bacterial infection)を起こした症例では、感染病巣の掻爬(Curettage)と清掃(Debridement)、および、滑液嚢洗浄(Synovial bursa lavage)と抗生物質注入(Anti-microbial infusion)が行うことが重要です。

中心足根骨(Central tarsal bone)および第三足根骨(Third tarsal bone)の骨折は、一般的に盤状骨折(Slab fracture)の病態を呈し、競走馬に好発することが知られています。多くの症例において、急性発現性(Acute onset)の重度跛行を示した後、疼痛症状が数週間で減退する所見が見られ、飛節屈曲試験での強陽性、および足根下腿関節の膨満(中心足根骨の場合)などの症状を呈する症例もあります。中心足根骨および第三足根骨の骨折の確定診断は、レントゲン検査によって下されますが、骨片変位(Fragment displacement)は軽度である事が多いため、僅かずつ角度を変えながらレントゲン撮影を行ったり、核医学検査(Nuclear scintigraphy)による放射医薬性取込(Radiopharmaceutical uptake)の増加を確認する診断法も有効です。一般的に、中心足根骨の盤状骨折は背内側面(Dorsomedial margin)に多く見られる事から、背外底内斜位撮影法(Dorsolateral-to-palntamedial-oblique view)によって骨折線が認められ、第三足根骨の盤状骨折は背外側面(Dorsolateral margin: DLPMO)に多く見られる事から、背内底外斜位撮影法(Dorsomedial-to-palntalateral-oblique view: DMPLO)によって骨折線が認められます。中心足根骨および第三足根骨の骨折においては、保存性療法によって骨関節炎(Osteoarthritis)と慢性跛行(Chronic lameness)を示す症例が多いため、骨折片の螺子固定術を施すことが推奨されています。

足根部における遠位脛骨(Distal tibia)の骨折は、内側踝(Medial malleolus)または外側踝(Lateral malleolus)に見られ、外傷性または側副靭帯の牽引力(Tension by collateral ligaments)による裂離骨折(Avulsion fracture)の病態を示す場合もあります。跛行は骨折の重篤度や骨折片の変位度によって様々ですが、一般的に足根下腿関節の膨満を示します。内側踝および外側踝の骨折の治療では、骨片が3cm以下である場合には関節鏡手術を介しての摘出が行われますが、骨片が3cm以上である場合には、螺子固定術による骨折片の整復を行って、関節面の再構築(Joint surface reconstruction)を施すことが推奨されています。

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