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馬の病気:側副軟骨骨化症

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側副軟骨骨化症(“Sidebone”)について。

蹄骨(Coffin bone、Distal phalanx)の側副軟骨(Collateral cartilage)が石灰化(Mineralization)から骨化(Ossification)を起こす疾患で、後肢よりも前肢に好発し、内側よりも外側の側副軟骨(Lateral collateral cartilage)に多く見られます。病因は特定されていませんが、蹄部衝撃(Hoof concussion)に起因する軟骨損傷(Cartilage trauma)、狭立肢勢(Base-narrow conformation)、削蹄および装鉄の不備(Poor trimming and shoeing)などが素因として挙げられており、また、遺伝的素質(Genetic predisposition)の関与も示唆されています。側副軟骨骨化症は、ウォームブラッドや重種馬などの体格の大きい馬に多く見られ、牡馬よりも牝馬に好発するという知見もあります。

側副軟骨は四種類の靭帯によって基節骨(Proximal phalanx)、中節骨(Middle phalanx)、末節骨(=蹄骨)と結合しており(1:Chondrocompedal ligament、2:Chondrocoronal ligament、3:Chondrotendinous ligament、4:Chondroungular ligament)、側副軟骨骨化症においては、軟骨基底部の伸長性と柔軟性が失われる事から、Chondrocompedal靭帯および冠状軟骨靭帯(Chondrocoronal ligament)に掛かる緊張度が増加して、これらの靭帯の炎症を生じる場合もあります。また、サイズの大きい側副軟骨骨化症は、タイプ2の蹄骨骨折(関節性の蹄骨翼の骨折)に関連して発症する可能性も示唆されています。

臨床症状としては、軟骨骨化が進行した症例では、蹄冠部の膨隆(Coronary band enlargement)が視診され、また、触診による圧痛(Pain on palpation)が見られる場合もあります。側副軟骨の骨化と、疼痛発現の関連については論議(Controversy)があり、骨化した側副軟骨の存在自体からは痛みは起こらないという提唱がある反面、側副軟骨の軸側には豊富な感覚神経供給(Abundant sensory nerve supply)があり、骨化がこの箇所まで伸展することで疼痛の発生に至るという知見も示されています。側副軟骨骨化症は、舟状骨症候群(Navicular syndrome)などの他の蹄疾患に併発して起こる場合も多い病態であるため、片軸性の掌側指神経麻酔(Uniaxial palmar digital nerve block)によって跛行が改善する所見によって、疼痛との因果関係を証明することが重要です。レントゲン検査では、蹄骨側副軟骨の石灰化および骨化に伴う、近位方向への伸展(Proximal extension)が観察されます。また、レントゲン上で骨化軟骨の骨折(Sidebone fracture)が確認される場合もありますが、側副軟骨骨化症から骨折を引き起こす症例は稀であるため、側副軟骨の分離骨化中心(Separate ossification center)との鑑別を行うことが必要です。骨化軟骨の骨折においては、遊離骨片の辺縁の不鮮明化や骨形成反応の増加などが見られ、継続的レントゲン検査によって仮骨形成(Callus formation)が認められます。また、核シンティグラフィー(Nuclear scintigraphy)によって骨化軟骨部の放射医薬性取込(Radiopharmaceutical uptake)を確認することで、臨床的な有意性を証明する診断法も試みられています。蹄冠部の超音波検査(Ultrasonography)によって、Chondrocompedal靭帯炎(Chondrocompedal desmitis)や冠状軟骨靭帯炎(Chondrocoronal desmitis)が確認される場合もあります。

側副軟骨骨化症が跛行の原因であると推測される症例では、馬房休養(Stall rest)、非ステロイド系抗炎症剤(Non-steroidal anti-inflammatory drugs)の投与、抗炎症剤の局所塗布などが行われます。また、装蹄療法(Therapeutic shoeing)によって、蹄反回(Hoof breakover)の改善を行うことも大切です。骨化軟骨の骨折が確認された症例においては、長期(2~3ヶ月)にわたる馬房休養の後、6~8ヶ月の管理運動療法(Controlled exercise)が実施されます。骨化した側副軟骨が骨折している場合でも、骨片の摘出は推奨されておらず、難治性跛行(Persistent lameness)を呈した場合には、片軸性の掌側指神経切断術(Uniaxial palmar digital neurectomy)が応用される症例もあり、また、腐骨形成(Sequestrum formation)が認められた場合にのみ、外科的摘出が適応される場合もあります。

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