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馬の文献:管骨骨折(Galuppo et al. 2001)

「馬の第三中手骨の外側顆状突起骨折モデルにおける無頭漸減不定ピッチ螺子とAO皮質骨螺子の生体力学的比較」
Galuppo LD, Stover SM, Jensen DG, Willits NH. A biomechanical comparison of headless tapered variable pitch and AO cortical bone screws for fixation of a simulated lateral condylar fracture in equine third metacarpal bones. Vet Surg. 2001; 30(4): 332-340.

この研究論文では、馬の第三中手骨(Third metacarpal bone)の外側顆状突起骨折(Lateral condylar fracture)に対する有用な外科的療法を検討するため、16本の屍体前肢(Cadaver forelimbs)から採取した第三中手骨に縦軸骨切術(Longitudinal osteotomy)を施し、それを無頭漸減不定ピッチ螺子(ACUTRAK PLUS® Headless tapered variable pitch screw:AP螺子)またはAO規格の皮質骨螺子(AO cortical bone screw:AO螺子)を用いての螺子固定術(Lag screw fixation)によって整復し、剪断試験(Shear test)を介して、この二種類の整復法における物理的強度の生体力学的比較(Biomechanical comparison)が行われました。

結果としては、降伏荷重(Yield load)、降伏エネルギー(Yield energy)、破損荷重(Failure load)、破損エネルギー(Failure energy)、および硬度(Stiffness)などの測定値を見ると、AP螺子およびAO螺子のあいだに有意差は認められませんでした。しかし、降伏変位度(Yield displacement)および破損変位度(Failure displacement)の測定値を見ると、AP螺子に比べてAO螺子のほうが有意に高いことが示されました。AP螺子は、螺子挿入箇所における軟部組織損傷(Soft-tissue irritation)が少ないことや、無頭のため皮質骨表面の傾斜を気にすることなく骨折面に垂直方向(Perpendicular to the fracture plane)へと螺子挿入できること、などの利点があります。このため、馬の管骨の外側顆状突起骨折においても、AP螺子による内固定法(Internal fixation)を用いることで、通常のAO螺子と同程度の物理的強度(Physical strength)を維持しながら、側副靭帯の刺激や損傷(Collateral ligament irritation/damage)の危険を抑えて(=螺子除去のための二度目の手術を要しない)、より堅固な骨折片間圧迫(Inter-fragmentary compression)を作用させる効果が期待されると考えられました。

一般的に、馬の管骨顆状突起骨折に対する螺子固定術において、顆状突起上窩(Epicondylar fossa)に螺子挿入する際には、側副靭帯があることでカウンターシンキングができないため(もしくは必要ない)、骨と螺子頭が完全に接触していなかった場合には、十分な骨折片間圧迫が達成できないことが知られています。また、カウンターシンキングされていない骨表面に設置された螺子頭が折れてしまうと、AO螺子による圧迫力は直ちに消失してしまいます。このため、無頭のAP螺子を用いた内固定法を応用することで、常に最大限の整復強度を作用させたり、螺子頭損失による骨折片間圧迫の消失の危険を無くすことができると考察されています。

この研究では、螺子設置のためのドリル穿孔および螺子挿入に要する最大捻転力(Maximum torque)は、AP螺子およびAO螺子のあいだに有意差は認められませんでした。しかし、タッピングに要する最大捻転力は、AP螺子のほうがAO螺子に比べて、四倍も高かったことが示されました。これは、AO螺子が深部側の骨折片のみにタップを刻んでいるのに対して、AP螺子は浅部側および深部側の両方の骨折片にタップを刻んでいること、そして、タップを刻む際にも骨折片間圧迫が生じていること、などに起因すると考えられており、この最大捻転力の違いによって、螺子と骨組織の摩擦熱(Bone-to-screw frictional heat)による熱性骨壊死(Thermal bone necrosis)を起こす危険は無いと考察されています。

この研究では、AO螺子における硬度は、骨折片の表面積(Fragment surface area)と正の相関(Positive correlation)を示していましたが、AP螺子における硬度では、このような相関関係は認められませんでした。これは、AO螺子では螺子頭のみが圧迫力の作用点なので、骨折片が大きいほど硬度も高くなったことを示しており、AP螺子を用いた内固定法では、骨折片のサイズに関わらず、十分な骨折片間圧迫を作用させられることが示唆されました。

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