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馬の文献:蟻洞(Pollitt et al. 2004)

「蹄壁損傷整復」
Pollitt CC, Daradka M. Hoof wall wound repair. Equine Vet J. 2004; 36(3): 210-215.

この研究論文では、馬の蹄葉炎(Laminitis)や蟻洞(Hoof wall separation)の治療のために行われる蹄壁切除(Hoof wall resection)の際の、蹄壁損傷整復(Hoof wall wound repair)の病理学的特徴(Pathological characteristics)を解明するため、六頭の健常な実験馬を用いて、背側蹄壁(Dorsal hoof wall)を切除してプレート固定を施してから、六ヶ月間にわたる蹄葉組織の病理組織学的検査が行われました。

結果としては、蹄壁切除によって蹄葉尖が離断(Snapping lamellar tip)して、基底膜の大部分(Majority of basement membrane)と共に蹄真皮(Lamellar dermis)の中に残存しており、蹄壁切除から三日目までには、蹄上皮細胞(Hoof epidermal cells)の増殖(Proliferation)によって新しい蹄葉組織の再生が見られました。そして、蹄壁切除から五日目までには、露出した深部組織が黄色の蹄上皮で覆われ、最終的に、蹄冠(Coronary band)から伸長してきた蹄壁組織によって切除箇所の整復が見られました。

このため、通常の蟻洞の治療における蹄壁切除では、蹄真皮内に残った基底膜からの蹄上皮増殖によって、良好な蹄壁組織が再生(Hoof wall regeneration)されるのに対して、基底膜の損傷が起こった蹄葉炎型蟻洞(Laminitis hoof wall separation)では、十分な蹄上皮増殖が生じないため、欠損箇所における蹄壁成長の遅延(Prolonged hoof growth)および蹄形態異常(いわゆる蕪蹄)を起こすと考えられました。また、この研究で使用された蹄壁欠損箇所のプレート固定術では、顕著な疼痛を示すことなく、良好な蹄壁整復を促したことが報告されています。

一般的に、皮膚組織の基底膜細胞(Basal cells)は、毛包(Hair follicles)や汗腺(Sweat glands)から供給されるのに対して、蹄葉組織の基底膜細胞にはそのような供給源が無いことが知られています。つまり、蹄葉炎の発症過程において、基底膜が分離または溶解(Separation or lysis of basement menbrane)してしまうと、蹄冠蹄葉(Coronary lamina tissue)からの正常な蹄葉組織の伸長を待つしかなく、結果的に、蹄壁整復に長期間を要することになる、という考察がなされています。

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