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馬の文献:術後腸閉塞(Lefebvreet al. 2014)

「馬の術後腸閉塞の臨床的特徴と治療法:欧州馬内科・外科専門医への聞き取り調査」
Lefebvre D, Pirie RS, Handel IG, Tremaine WH, Hudson NP. Clinical features and management of equine post operative ileus: Survey of diplomates of the European Colleges of Equine Internal Medicine (ECEIM) and Veterinary Surgeons (ECVS). Equine Vet J. 2014 Sep 25. doi: 10.1111/evj.12355. [Epub ahead of print]

この症例研究では、馬の緊急消化器手術(Emergency abdominal surgeries)のあとに起こる術後腸閉塞(Postoperative ileus)における、診断(Diagnosis)、治療法(Management)、予防法(Prevention)の傾向を明らかにするため、欧州馬内科専門医(120人)および欧州馬外科専門医(186人)に対する聞き取り調査(Survey)が行われました。

結果としては、馬の術後合併症に対しては、フルニキシンメグルミンおよびリドカインの投与が、最も頻繁に実施されている治療法であったことが示されました。また、術後腸閉塞のリスクが高い症例に対する予防的処置としては、抗炎症剤や抗生物質の投与(Administration of anti-inflammatory drugs and/or antimicrobial drugs)、および、補液療法(Fluid therapy)が一般的に実施されていました。さらに、補助的な治療的・予防的な方針(Supplementary preventative and treatment strategies)としては、内毒素血症の制御(Control of endotoxemia)、補液療法、早期の入院(Early ambulation)、術後の給餌再開を慎重に判断すること(Judicious timing of post operative feeding)、などが挙げられました。

この研究では、術後腸閉塞の発症を定義する主要基準(Main criterion used to define post-operative ileus)としては、経鼻的胃カテーテルからの逆流液(Reflux on nasogastric intubation)が最も多く挙げられていました。他の判断基準としては、超音波検査(Ultrasonography)での小腸膨満(Small intestinal distension)、腹部違和感(Abdominal discomfort)、頻脈(Tachycardia)、直腸検査で蝕知された小腸膨満(Transrectal palpation of small intestinal distension)、腸管音の消失(Absence of intestinal sounds)などが用いられていました。また、胃逆流液の量としては、一時間当たり2リットル以上の逆流液が何回も認められること、および、一時間当たりの4リットル以上の逆流液が一度でも認められること、という判断基準が多く用いられていました。しかし、回答のうち四分の一では、一時間当たりの2リットル以上の逆流液が一度でも認められること、という基準であり、この場合、術後腸閉塞の発症率を過大評価(Over-estimation)する可能性が示唆されています(Merritt et al. EVJ. 2008;40:295)。

この研究では、術後合併症の発症率の予測値(Estimated incidence)は、10~20%であったことが示されました。また、術後腸閉塞の危険因子(Risk factors)としては、小腸病変(Small intestinal lesions)が一番に挙げられていました。過去の文献では、馬の小腸・大腸疾患への手術(Small and large intestinal colic surgery)における術後腸閉塞の発症率は、18.4~21%であったことが報告されています(Blikslager et al. JAVMA. 1994;205:1748, Roussel et al. JAVMA. 2001;219:72)。

この研究では、聞き取り調査に対する回答率(Response rate)は33%(100/306人)にとどまっていました。この回答率は、同様な聞き取り調査における回答率に近い値であり、全獣医師の傾向を判断するのに充分に高い回答率である、という考察がなされています。

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