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馬の文献:有茎性脂肪腫(Freeman et al. 2001)

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「馬の脂肪腫および網嚢孔に起因する小腸絞扼における年齢分布:1994~2000年の46症例」
Freeman DE, Schaeffer DJ. Age distributions of horses with strangulation of the small intestine by a lipoma or in the epiploic foramen: 46 cases (1994-2000). J Am Vet Med Assoc. 2001; 219(1): 87-89.

この論文では、馬の有茎性脂肪腫(Pedunculated lipoma)および網嚢孔捕捉(Epiploic foramen entrapment)によって起こる小腸絞扼(Small intestinal strangulation)における年齢分布(Age distribution)を検証するため、1994~2000年にわたる小腸絞扼の罹患馬の医療記録(Medical records)の解析が行われました。

結果としては、脂肪腫による小腸絞扼の罹患馬の平均年齢は19.2歳で、対照郡(Control group)の平均年齢である7.7歳よりも有意に高く、有茎性脂肪腫は高齢馬に多く見られる疾患であることが示唆されました。この要因としては、(1)若齢馬に比べて高齢馬のほうが腹腔脂肪の蓄積(Accumulation of abdominal fat)が少なく脂肪腫が形成されにくいこと、(2)消化管疾患を起こしうる大きさまで脂肪腫が肥大するには長期間を要すること、などが挙げられています。

一方、網嚢孔による小腸絞扼の罹患馬の平均年齢は9.6歳で、対照郡の平均年齢(7.7歳)とのあいだに有意差は認められず、網嚢孔捕捉は高齢馬に好発するという臨床的知見(Clinical observation)を裏付けるデータは示されませんでした。一般的に、高齢になって肝臓萎縮(Hepatic atrophy)を生じて網嚢孔が拡大されると、この空間に小腸が迷入しやすくなると仮説されています。

この研究では、小腸疾患に起因して外科治療が応用された疝痛馬は全部で125頭で、このうち有茎性脂肪腫が29頭(23%)、網嚢孔捕捉が17頭(14%)と、この二つの病態が四割近くを占めていました。このため、臨床所見、超音波検査(Ultrasonography)、直腸検査(Rectal examination)などから小腸疾患が疑われる症例では、有茎性脂肪腫および網嚢孔捕捉の二つの疾患をまず鑑別診断することが重要であると考えられます。

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