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馬の病気:逆流性食道炎

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逆流性食道炎(Reflux esophagitis)について。

胃液の逆流(Gastric fluid regurgitation)によって食道の粘膜損傷(Esophageal mucosal injury)と炎症を起こす疾患で、胃潰瘍(Gastric ulceration)、食道の蠕動異常(Motility disorder)、胃排出障害(Gastric outflow obstruction)、胃麻痺(Gastric paresis)、小腸閉塞(Intestinal ileus)、近位小腸炎(Proximal enteritis)、下部食道の括約筋不全(Impaired lower esophageal sphincter function)などが病因として挙げられています。また、異物誤嚥による外傷(Trauma by swallowed foreign body)、食物が詰まること(Food impaction)による食道閉塞(Esophageal obstruction)、感染による壁内性膿瘍(Mural abscess)などが原因となる場合もあります。

逆流性食道炎の症状は非特異的(Non-specific)で、胃潰瘍や食道閉塞に類似することが多く、食欲不振(Anorexia)、体重減少(Weight loss)、過剰流涎(Hyper-salivation)、歯ぎしり(Bluxism)、嚥下時の不快感(Discomfort when swallowing)などが認められます。また、蠕動異常に続発する病態においては、回帰性食道閉塞(Recurrent esophageal obstruction)の病歴を示す症例もあります。

逆流性食道炎の確定診断は内視鏡検査(Endoscopy)によって下され、下部食道粘膜面における広範性、線状、癒着性の糜爛(Diffuse, linear, or coalescing erosion)、食道壁の浮腫(Edema)および充血(Hyperemia)などが見られます。この際には、胃潰瘍に続発、または併発する食道炎が多いことを考慮して、胃の内視鏡検査(Gastrocsopy)も必ず併行して実施して、一次性疾患(Primary disorders)の有無を確認することも重要です。また、造影レントゲン検査(Contrast radiography)を介して、食道蠕動や胃排出機能の評価も行われます。

逆流性食道炎の治療では、胃酸性(Gastric acidity)の改善のため、ヒスタミン2型受容体の拮抗薬(Histamine-2-receptor antagonist: Ranitidine, etc)やプロトンポンプ拮抗薬(Proton pump antagonist: Omeprazole, etc)の投与が行われ、食道粘膜保護のためSucralfateが併用される場合もあります。また、胃排出障害に起因すると考えられる症例においては、第一世代ベンザマイド(First generation benzamide: Metoclopramide, etc)または副交感神経刺激薬(Parasympathomimetic drug: Bethanechol, etc)の投与が応用される事もありますが、その使用に先立って、物理的通過障害(Physical obstruction)を除外診断(Rule-out)することが重要です。食餌改良(Dietary modification)としては、軽度病態では青草&ふやかしたペレット(Fresh grass and moistened pellets)などの軟らかい飼料を、少量かつ多数回に分けて与える指針(Frequent small feeding regime)が推奨されますが、重篤な粘膜糜爛を生じた症例では、粘膜治癒を促すため数日にわたる絶食(Food withholding for several days)を要することもあります。

逆流性食道炎の予後は一般的に良好ですが、原発疾患である胃潰瘍が慢性経過を示した症例においては、間欠性に食道炎の再発を呈する場合もあるため、胃潰瘍および食道炎の予防のため、長期にわたる低濃度のOmeprazole投与が行われる場合もあります。

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