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馬の文献:胃潰瘍(Murray et al. 2001)

「馬の胃噴門および胃幽門の内視鏡所見:1996~2000年の162症例」
Murray MJ, Nout YS, Ward DL. Endoscopic findings of the gastric antrum and pylorus in horses: 162 cases (1996-2000). J Vet Intern Med. 2001; 15(4): 401-406.

この症例論文では、馬の胃潰瘍(Gastric ulceration)の診断における適切な内視鏡検査(Endoscopy)の手法を検証するため、1996~2000年において胃内視鏡検査が実施された、162頭の胃潰瘍の罹患馬の内視鏡所見の解析が行われました。

結果としては、胃噴門および胃幽門(gastric antrum/pylorus)に病変が認められた馬は58%に及び、十二指腸(Duodenum)に病変が認められた馬も9%ありました。このうち、扁平上皮部粘膜(Squamous mucosa)の病変が軽度(グレード0または1)であった66頭の患馬においても、胃噴門および胃幽門の病変が中程度~重度(グレード2以上)であった馬は33頭に及び、また、扁平上皮部(=馬の胃潰瘍の好発部位)における病巣の存在および重篤度(Presence/Severity of lesions)と、胃噴門および胃幽門における病巣の存在および重篤度とのあいだには、有意な相関(Significant correlation)は示されませんでした。このため、胃噴門や胃幽門、十二指腸などに潰瘍病巣を持つ馬の割合はかなり高く、扁平上皮部の病変の有無&重篤度は、他の部位における病変形成の指標にはならないという結果が示されたことから、馬の胃内視鏡検査の実施に際しては、胃内表面の全域をくまなく検査することが重要であることが強く示唆されました。

一般的に、馬の胃内視鏡検査では、カメラが噴門から胃内に進入した直後では、噴門および幽門を見ることは出来ず、カメラを胃大弯(Gastric greater curvature)に沿って旋回させた後に、はじめて胃噴門の視診が可能であり、その後、カメラをさらに遠位へと伸展させることで胃幽門および十二指腸の視診が可能となります。このため、胃内表面の全域を適切に検査するためには、2.5~3mの長さの内視鏡を要る症例が殆どで、また、検査の前晩から無口を装着させて摂食を制限することで、胃内部を出来るだけ空っぽにしておく必要があります。

この研究では、扁平上皮部粘膜における糜爛(Erosion)または潰瘍(グレード2以上)が認められた馬は58%でしたが、腺部粘膜(Glandular mucosa)に糜爛または潰瘍が認められた馬は8%のみで、馬の胃潰瘍は、腺部よりも扁平上皮部に好発するというこれまでの知見も再確認されました。

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