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馬の病気:眼性糸状虫症

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眼性糸状虫症(Ocular setariasis)について。

前眼房(Anterior chamber)に迷入したセタリア属寄生虫の幼虫に起因して眼内炎症(Intraocular inflammation)を起こす疾患で、原因寄生虫としてはSetaria equinaおよびSetaria digitataが挙げられています。

セタリア属寄生虫は、血液中の幼虫を蚊が吸引および媒介することで伝播し、腹腔内に生存する成虫は無症候性感染(Asymptomatic infection)を起こすことが知られていますが、多量の寄生虫感染を生じた場合には軽度腹膜炎(Mild peritonitis)に至る症例もあります。セタリア属寄生虫が異所性移入(Aberrant migration)を起こす場合には、中枢神経系(Central nervous system)へと侵入することが多く、眼組織への迷入を呈する症例はあまり一般的ではありません。

眼性糸状虫症の診断は、通常は視診によって前眼房内を遊走する寄生虫を確認することで下され、炎症病態の重篤度によっては、流涙(Epiphora)、眼瞼痙攣(Blepharospasm)、結膜充血(Hyperemic conjunctiva)、角膜混濁(Corneal opacity)等の症状が認められる場合もあります。

眼性糸状虫症の治療では、駆虫薬(Anthelmintic: Ivermectin, Diethylcarbamazine, etc)の全身投与(Systemic administration)が有効である事が知られており、投薬開始後の10日で迷入した寄生虫の虚弱化が認められ、15~17日で寄生虫が死亡し、30~90日で角膜混濁の完全治癒(Complete resolution)が起きたことが報告されています。この際には、コルチコステロイドや非ステロイド系抗炎症剤(Non-steroidal anti-inflammatory drugs)の局所投与(Topical administration)または全身投与が併用されることが一般的です。

眼性糸状虫症の外科的療法としては、迷入寄生虫を角膜穿刺と吸引(Corneal paracentesis/aspiration)によって摘出する手法も示されています。この際には、眼球癆(Phthisis bulbi)、角膜浮腫や瘢痕形成(Corneal edema/scar formation)、虹彩逸脱(Iris prolapse)等の術後合併症(Post-operative complication)を予防するため、全身麻酔下での治療を行い、寄生虫摘出後に前眼房の洗浄と生食注入、穿刺部位の角膜の縫合閉鎖を施すべきであることが提唱されています。

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