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馬の病気:ウシバエ幼虫症

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ウシバエ幼虫症(Hypodermiasis)について。

ウシバエ(Hypoderma bovis)の幼虫感染(Larval infection)に起因して皮膚炎を起こす疾患です。ウシバエの成虫は、夏季に体毛に産卵し、孵化した幼虫は皮膚内に侵入した後、第二期幼虫(Second-stage larvae)へと成長する冬季に皮下組織(Subcutaneous tissue)まで穿孔し、その後、第三期幼虫(Third-stage larvae)へと成熟し、初春に羽化して体外に排出されます。しかし、馬体に寄生したウシバエ幼虫は、成虫まで完全に成長できない場合が多いことが知られています。

ウシバエ幼虫症は、近辺に牛が飼養されている環境下で発症が見られ、症状としては晩冬~初春にかけて皮下小結節や皮下嚢胞(Subcutaneous nodule/cyst)の形成が認められます。病変部位には皮膚表層への呼吸孔(Breathing pore)を伴うことが一般的で、病変は鬐甲周辺に好発することが報告されています。また、第三期幼虫による嚢胞破裂の際にアナフィラキシー様反応(Anaphylactoid reaction)を起こす可能性も示唆されており、第一期幼虫の迷入に起因して、神経器症状を起こした症例報告もあります。

ウシバエ幼虫症の診断では、病歴(飼養環境および季節性)、視診、触診によって推定診断(Presumptive diagnosis)が可能な場合もありますが、皮膚生検(Skin biopsy)によって皮下組織に寄生したウシバエ幼虫を発見することで確定診断(Definitive diagnosis)が下されます。また、病理組織学的検査(Histopathologic examination)では、多量の好酸球浸潤(Numerous eosinophil infiltration)を伴う化膿性肉芽腫性皮膚炎(Syppuratuve pyogranulomatous dermatitis)が認められ、類似疾患である細菌性毛包炎(Bacterial folliculitis)との鑑別診断を行います。

ウシバエ幼虫症の治療では、呼吸孔の開口部位から皮膚を切開して皮下嚢胞に到達することで、幼虫の摘出が行われ、嚢胞自体の全摘出が適応される症例もあります。近辺に牛が飼養されている環境下において、ウシバエ成虫の完全な駆除が困難な場合でも、有機リン酸系殺虫剤および大環状ラクタム系殺虫剤(organophosphate or macrocyclic lactam insecticide: Doramectin, Erinomectin, Ivermectin, Moxidectin, etc)の投与によって、初秋時期に体表の幼虫を駆除することで、皮下組織への穿孔と皮下嚢胞の形成を予防できることが示されています。

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