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馬の病気:血栓性静脈炎

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血栓性静脈炎(Thrombophlebitis)について。

血栓形成(Thrombus formation)に起因する静脈の炎症(Phlebitis)と通過障害(Obstruction)を呈する疾患で、頚静脈カテーテル留置(Jugular catheterization)の合併症として頻発するほか、経静脈薬物投与、寄生虫感染、蜂窩織炎(Cellulitis)に続発して起こる事もあります。

血栓性静脈炎の症状としては、羅患部の腫脹(Swelling)、熱感(Heat)、圧痛(Pain on palpation)、静脈怒張(Distension)、皮下浮腫(Subcutaneous edema)が見られ、病状の悪化に伴って、発熱(Fever)、好中球性白血球数増加症(Neutrophilic leukocytosis)、フィブリノーゲン増加症(Hyperfibrinogenemia)などの全身症状を呈します。

血栓性静脈炎の診断では、患部の触診に加えて、ドップラー超音波検査(Doppler ultrasonography)によって、細菌感染の指標となる空洞形成(Cavitation)の発見と、病巣吸引(Aspiration of the lesion)による細菌培養(Bacterial culture)と抗生物質感受性試験(Antimicrobial susceptibility test)が行われます。カラードップラー像検査では、血栓内の血流再疎通(Blood recanalization)のモニタリングが行われ、また、血栓端に小房形成(Loculation)が確認された場合には、残留性の繊維素網(Persistent fibrous web)が形成されていることが示唆されます。超音波検査では、細菌感染の波及に伴う、二次性の細菌性心内膜炎(Secondary bacterial endocarditis)が起きていないことを確認する事も重要です。

血栓性静脈炎が疑われた症例では、速やかにカテーテルを除去し、尖端部からの細菌培養を試みます。治療としては、患部の温熱圧迫療法(Hot compresses)と消炎・殺菌剤(Ichthammol, DMSO, etc)の塗布が行われ、全身性の抗生物質療法(Systemic antibiotic therapy)は、感受性試験の結果に基づいて実施される事が推奨されます。保存的療法に不応性(Refractory)の症例においては、羅患部静脈の外科的切除(Surgical resection)と結紮(Ligation)を要する場合もあります。両側の頚静脈が障害された場合には、重篤な頭部浮腫(Facial edema)を引き起こす危険があるため、血栓性静脈炎が確認された症例においては、反対頚側の頚静脈は使用せず、外側胸部静脈(Lateral thoracic vein)、橈側皮静脈(Cephalic vein)、伏在静脈(Saphenous vein)等へのカテーテル留置を施します。

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