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馬の病気:カンサリディン中毒

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カンサリディン中毒(Cantharidin toxicity)について。

カンサリディンは、ハンミョウ(Blister beetle, Epicauta species)などの特定昆虫が含有する毒物で、心筋障害(Myocardial injury)による循環器症状を起こすほか、大腸炎症および潰瘍(Large intestinal inflammation/ulceration)に起因する下痢(Diarrhea)や膀胱炎(Cystitis)なども併発します。ハンミョウは乾草の一部分に固まっている事も多く、また、少数の虫体(時には6~8匹)の摂食でも中毒症状を示す症例もあります。発症は主に晩夏~秋にかけて起こります。

カンサリディン中毒の臨床症状としては、発熱(Fever)、持続性頻脈(Persistent tachycardia)、呼吸困難(Respiratory distress)、沈鬱(Depression)、食欲不振(Anorexia)、運動失調(Ataxia)、虚弱(Weakness)、疝痛(Colic)、下痢などを呈します。心電図検査(Electrocardiography)では、心室期外収縮(Ventricular premature complexes)、心房性頻脈(Atrial tachycardia)、心房細動(Atrial fibrillation)等を示すこともありますが、毒物誘発性心筋障害に特異的な所見ではありません。血液検査では、好中球性白血球数増加症(Neutrophilic leukocytosis)、低カルシウム血症(Hypocalcemia)、低アルブミン血症(Hypoalbuminemia)、CK濃度の上昇などが見られます。推定診断のためには、乾草中のハンミョウを発見、または胃内容物および尿中のカンサリディアンの探知が試みられます。

カンサリディン中毒が疑われる症例では、経鼻カテーテルによる胃内容物の排出とミネラルオイル注入による毒物吸収の減速を試みます。補助的療法として、補液による脱水の改善と、電解質補給と酸塩基平衡の改善が施され、コルチコステロイド投与も併用されます。心電図検査によって、重篤な心室性頻脈症(Ventricular tachycardia)が確認された場合には、抗不整脈薬(Anti-arrhythmia drugs: Lidocaine, Quinidine, MgSO4, etc)や利尿薬(Diuretics: Furosemide, etc)の投与を要する事もあります。陽性変力薬(Positive inotropic agent)であるジゴキシンは、馬においては多くの心筋疾患に用いられますが、重篤な毒物性心筋損傷および類似疾患であるモネンシン中毒(Monensin toxicosis)には使用禁忌(Contraindication)とされています。

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