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馬の病気:半月板損傷

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半月板損傷(Meniscal injury)について。

馬の半月板損傷は、後肢を滑らせたり踏み誤ったりした際に、膝関節伸展(Stifle joint extension)、脛骨回転(Tibial rotation)、過剰圧迫負荷(Excessive compressive force)などが重なって起こることで発症すると考えられています。馬においては、外側半月板(Lateral meniscus)よりも内側半月板(Medical meniscus)の損傷の発生率が高いことが知られています。そして、殆どの症例で、頭側半月板靭帯(Cranial meniscal ligament)の異常を伴うことが知られており、また、膝関節の変性関節疾患(Degenerative joint disease)を併発する症例もあります。

半月板損傷の症状としては、急性発現性(Acute onset)の重度跛行(Severe lameness)が、経時的に減退することが一般的で、羅患側の大腿脛骨関節包の膨満(Distension of affected femorotibial joint capsule)を呈します(内外側の大腿脛骨関節は直接連絡していないため)。慢性に経過した病態では、跛行は軽度ですが、膝関節屈曲(Stifle flexion)による疼痛反応(Pain response)および跛行悪化(Lameness exacerbation)が認められます。

半月板損傷の診断では、膝関節麻酔(Stifle joint block)による跛行改善を確認しますが、跛行が完全に消失(Complete elimination of lameness)することはあまりありません。半月板損傷の病態としては、“バケツの取っ手状”(Bucket handle)、水平横軸性(Horizontal transverse)、横軸性(Transverse)、垂直フラップ(Vertical flap)、垂直縦軸性(Vertical longitudinal)などが見られます。人間の半月板損傷に多く見られる“バケツの取っ手状”の病態は、馬にはあまり発症しないことが知られています。

レントゲン検査では、大腿脛骨関節腔の狭窄化(Narrowing femorotibial joint space)、半月板靭帯の付着している脛骨顆間隆起(Tibial intercondylar eminence)の骨新生(New bone formation)、半月板の尾側角の石灰化(Caudal horn mineralization)などの所見が見られます。超音波検査(Ultrasonography)では、半月板の肥厚化(Thickening:急性病態)または非薄化(Thining:慢性病態)、半月板繊維化による高エコー性病巣(Hyperechoic lesion)、半月板圧潰による外側突出(Outward extrusion)などが認められる場合もあります。また、超音波検査では、正確な予後判定(Accurate prognostication)のため、十字靭帯(Cruciate ligament)や膝関節の側副靭帯(Stifle collateral ligament)の損傷の有無を確かめる事も大切です。

関節鏡下で観察される半月板の頭側部関節面の損傷評価には、以下のグレード法が用いられています。
グレード1:僅かな切れ目のみが頭側靭帯から縦軸性に半月板組織へと伸展している所見(Tears extending longitudinally from the cranial ligament into the meniscus with minimal separation)。
グレード2:顕著な裂け目が頭側端から半月板組織へと伸展している所見(Tears involving the cranial pole in which the extent of the injury is visible)。
グレード3:重度の裂傷が半月板下の脛骨顆へ伸展し深さが確認できない所見(Severe tears that extend beneath the femoral condyle and that cannot be completely assessed)。

半月板損傷の治療では、関節鏡手術(Arthroscopy)を介して半月板の損傷部の切除(Loose tissue removal)と、電動関節形成術具(Motorized arthroplasty unit)による病巣清掃(Debridement)が施されます。グレード1の病態においては、裂け目の表層部のみの清掃が行われますが、グレード2および3の病態では、裂傷した半月板組織の完全切除を要します。また、関節切開術(Arthrotomy)を介しての半月板切除術(Meniscectomy)や、水平裂傷(Vertical tear)の縫合整復も試みられています。

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