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馬の病気:マリー病

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マリー病(Marie’s disease)について。

マリー病とは、結合組織(Connective tissue)や骨膜下骨(Subperiosteal bone)の対称性増殖(Symmetric proliferation)を起こす疾患を指し、肥大性骨症(Hypertrophic osteopathy)とも呼ばれます。マリー病の羅患馬では、一般に骨増殖の原因となる胸腔内疾患(Intra-thoracic disorder)が存在しますが、原発疾患(Primary disease)が特定できない場合や、原発疾患に起因しない特発性の症例(Idiopathic case)もあります。

マリー病の病因となりうる一次性胸腔内疾患としては、マイコバクテリア肺炎(Mycobacterial pneumonia)、肺膿瘍(Lung abscess)、化膿性肺炎(Suppurative pneumonia)、肉芽腫性肺炎(Granulomatous pneumonia)、全身性肉芽腫性疾患(Systemic granulomatous disease)、線維化性肺炎(Fibrosing pneumonia)、原発性または転移性肺腫瘍(Primary/Metastatic lung neoplasia)、肺梗塞(Pulmonary infarction)、肋骨骨折(Rib fracture)、胸膜癒着(Pleural adhesion)、心外膜炎(Pericarditis)などが報告されています。また、卵巣腫瘍(Ovarian neoplasia)、下垂体腺腫(Pituitary adenoma)、胃扁平上皮癌(Gastric squamous cell carcinoma)等の腹腔内疾患(Intraabdominal disorder)、および、頭蓋内疾患(Intracranial disorder)から引き起こされる病態も知られています。

マリー病の発症馬においては、はじめに遠位肢の血液循環亢進(Increased distal limb blood flow)が生じ、結合組織の増殖から、深部における骨組織増殖から骨膜層という順に病態が進行します。マリー病の病因論(Etiology)は未だに確定されていませんが、ホルモン異常(Hormonal abormalities)、低酸素症(Hypoxia)、動静脈短絡(Arteriovenous shunting)、神経性発症機序(Neurologic mechanisms)などの関与が示唆されています。マリー病は高齢馬に好発することが知られており、牝馬よりも雄馬に多く発症する可能性も指摘されています。

マリー病の症状としては、初期病態においては、軽度跛行(Mild lameness)や強直歩様(Stiffed gait)を呈し、病状の進行に伴って硬化性骨肥大(Firm bony enlargement)が見られ、病巣周囲に軟部組織浮腫(Soft tissue edema)が認められる場合もあります。骨異常は四肢の対称性に発現(Symmetric development)することが特徴で、第三中手骨および第三中足骨(Third metacarpal/metatarsal bone)が最も頻繁に羅患しますが、指骨(Phalanges)、手根骨(Carpus)、足根骨(Tarsus)、橈骨(Radius)、脛骨(Tibia)、上顎骨(Maxilla)、下顎骨(Mandible)、鼻骨(Nasal bone)などに発症する場合もあります。

マリー病の診断は、通常は視診と触診によって、特徴的臨床所見(Characteristic clinical signs)を確認することで下され、レントゲン検査(Radiography)では、関節面に波及しない骨膜増殖(Periosteal proliferation)と骨幹部の骨新生(Diaphyseal new bone formation)が見られます。症例によっては、原発疾患に起因して、咳嗽(Coughing)、発熱(Fever)、体重減少(Weight loss)、腹部浮腫(Ventral edema)、頻呼吸(Tachypnea)、疝痛(Colic)などの症状が見られ、また、血液検査ではALP濃度の上昇が認められる事もあります。

マリー病の治療では、原発疾患の確定診断(Definitive diagnosis)を下し、(もし可能であれば)その治療を施すことが第一指針とされます。原発疾患が完治した場合には、骨異常の部分的または完全退縮(Partial/Complete regression)が起こり、競技や競走に復帰できる可能性が示唆されています。しかし、多くの症例においては、一次性疾患の効果的な治療は困難で、進行性骨肥大(Progressive bony enlargement)によって安楽死(Euthanasia)が選択されることが報告されています(七割以上の羅患馬)。また、特発性のマリー病羅患馬においては、馬房休養(Stall rest)と非ステロイド系抗炎症剤(Non-steroidal anti-inflammatory drugs)を介しての保存性療法(Conservative therapy)による回復が期待できることも示されています。

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