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馬の病気:フッ素症

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フッ素症(Fluorosis)について。

フッ化物の過剰摂取(Excessive fluoride ingestion)による慢性中毒症(Chronic toxicosis)に起因して、骨フッ素症(Osteofluorosis)や歯科フッ素症(Dental fluorosis)を生じる疾患です。フッ素の混入源としては、飲水に高濃度のフッ化物が含まれる場合(Water containing high fluoride content)、風上にあるリン酸・アルミ精製工場から空気を介して飼料が汚染される場合(Forage contamination from upwind phosphate/aluminum plants)、フッ化物を含有する飼料添加物の給餌による場合(Feed supplements with fluoride content)、火山灰による飼料や飲水の汚染(Feed/Water contaminated with volcanic ash)などが挙げられています。

骨フッ素症は骨組織へのフッ化物蓄積(Fluoride accumulation)に起因し、骨粗鬆症(Osteoporosis)、骨硬化症(Osteosclerosis)、骨増殖症(Hyperostosis)、骨軟化症(Osteomalacia)などを起こす病態で、間欠性跛行(Intermittent lameness)と強直性歩様(Stiff gait)などの症状を呈します。骨フッ素症は管骨(Cannon bone: Third metacarpal/metatarsal bone)に最も早期に発症し、皮質骨肥厚(Cortical bone thickening)と関節周囲骨増生(Peri-articular bone formation)が見られますが、関節軟骨面(Articular cartilage surface)には作用しない所見で、骨髄炎(Osteomyelitis)、骨関節炎(Osteoarthritis)、感染性関節炎(Septic arthritis)との鑑別が可能な場合もあります。骨フッ素症は病状の進行に伴って、管骨から下顎骨(Mandible)や肋骨(Ribs)などに波及し、レントゲン検査では骨膜面(Periosteal surface)のチョーク様外観(Chalky appearance)、粗雑化(Roughening)、不規則性(Irregularity)などが認められます。歯科フッ素症では、切歯(Incisors)や前臼歯(Premolar)のチョーク質化(Chalkiness)、歯表面の斑点形成(Mottling)、発育不全(Hypoplasia)、低石灰化(Hypocalcification)などが見られ、食欲不振(Anorexia)、慢性疝痛(Chronic colic)、体重減少(Weight loss)などを引き起こします。

フッ素症の診断では、特徴的臨床症状から推定診断(Presumptive diagnosis)が行われますが、慢性暴露(Chronic exposure)を呈した症例では、尿中のフッ化物濃度の測定が有用な場合もあります。また、飲水中または飼料中の高濃度のフッ化物を探知する手法も有効ですが、フッ素中毒は間欠性の微量摂取(Intermittent low-dose ingestion)から長期間にわたって体内に蓄積されることで発症に至る場合もあるため、飲水中および飼料中のフッ化物濃度のみでフッ素症を除外診断(Rule-out)することは適当ではありません。病理学検査(Pathologic examination)が行われた場合には、肋骨や尾側椎骨(Caudal vertebrae)におけるフッ化物濃度測定が有用であることが報告されています。

フッ素症の治療では、有効な解毒剤(Antidote)がないため、給餌内容や給水源の変更によって飼料中や飲水中のフッ化物を除去することが重要で、また、硫酸アルミニウム(Aluminum sulfate)、塩化アルミニウム(Aluminum chloride)、アルミン酸カルシウム(Calcium aluminate)、炭酸カルシウム(Calcium carbonate)、脱フッ素化したリン酸塩(Defluorinated phosphate)などの投与によって、骨異常や跛行等の症状改善が期待できることが示唆されています。飼料中や飲水中のフッ化物が除去されれば、2~5年間で体内に蓄積されたフッ素の約半分が取り除かれることが示唆されていますが、既に起きてしまった骨組織や歯組織の異常は、不可逆的(Irreversible)であることが報告されています。

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